目次
広告代理店の働きかたについて
以前、web広告代理店で働いていました。
正確には代理店ではなく、電通のグループ(位置付け的には孫会社くらい)なのでちょっと違うけど、働きかたは電通と似たような感じだとと思う。
今回の電通の女の子の過労自殺は胸に来るものがある・・・。
▼スポンサーリンク
どんな働きかたなのか?
朝は9時半出勤。
基本みんな時間通り来るが、他の会社と比べるととんでもなくだらしないように思う。
広告代理店×ベンチャー企業だったので、若手が多かった。
そして、定時は18時半。
そこから、社内の会議が始まる。
何度、営業時間中に会議を入れるな!!と言われたかわからない。
え?会議って仕事じゃないの??
そしてその会議がまた長い。何かを決議する場ではなく、ディスカッションする場だったことが多かった。
そして、24時半の終電で帰る。家に帰ったら早くても25時。寝るのは大体26~27時(深夜2時から3時)
翌日の朝に戻る。こんな生活だから、起きられなくても当たり前、遅刻横行。
という流れ。
残業時間について
申請していた時間で、毎月約80~90時間。
実労働は恐らく120時間くらい。土日も働くこともちょこちょこあったので、150時間くらいかな。
(1日の残業時間:6時間×平日5日×4週間)
たまに23時くらいに帰る日は喜んで、ラーメン屋に行って飲んでいた。
新卒は本当に死ぬほど大変
わたしはプロパーではなく、グループ会社からの出向という形でその会社にいたので、多少なりとも配慮があった。
そして、新卒ではなかったので途中からはある程度ひとりで仕事をしていたので、時間配分やどうしても帰りたい日は持ち帰って家で仕事をしたりと、バランスを調整することができていた。
でも、新卒は違う。
まず、当然ながら何もわからないので仕事が遅い。
体育会系の雰囲気があるので、上が下を育てる意識があるので、先輩からの指導はある。
指導かパワハラか。ここは会社の文化や先輩による。
ただ、指導する方の人も、猛烈に忙しい。
だから後輩の指導が始まるのは自分の業務が落ち着いた21時から。
そこから1時間くらい説教混じりの指導が入り、やり直し、新卒徹夜。
みたいな流れはざら。
わたしも会社に泊まったことは1度や2度ではない。ちなみにこのハードさは電通の方が上だと思う。椅子を3つくらい繋げて寝てました。
▼スポンサーリンク
体調を崩すのは必然
どう考えても体調が良くなる要素は一個もない。健康的な生活の真逆の生活。
おかしくなっていることに気づかない
どんどん、身体はおかしくなるし精神もおかしくなってくる。
ずっとアドレナリンがで続けているような状態になって、ツラい!!という感情が麻痺してくる。
そして周りもみんな同じように働いているので、それが普通になってしまう。
これが結構怖いところで、その世界でもっとひどい目にあっている人を見ると、「まだわたしは大丈夫だ、もっと頑張らなければ・・・」と思ってしまう。
ついに来た不眠事件
わたしは、最強に寝つきが良いのでベッドに入ったら5秒で眠り、地震が来ても起きないくらいの、のび太体質。
睡眠に関しては悩んだことはなかった。
だけどある日から、寝られなくなった。
その次に、寝ている間にたまに目が覚めるようになった。
そして、2時間おきに起きるようになり、寝ている間も仕事の夢を見るようになった。
いま思えば、鬱の初期症状だったり、自律神経失調症とか、何らかの病名はつくような状況だったのではないかと思う。
わたしが運がよかったのは、上司がとてもよく私のことをみてくれる人だったこと。
私の様子がおかしいのにすぐに気づき、人生仕事だけじゃない、好きなことをやれ、と言ってくれた。
人と比べて焦って何で出来ないのか、自分で自分を追い詰めている状態を、止めてくれたこと。
特に男の子と同じように量で勝負しようとしてたときに、違うよ、自分の得意な方法でやれと促してくれたことには感謝しかない。
あのときに、追い詰められるようなことを言われていたら私も電通の彼女のように心が折れていたかもしれない。
そして、さらに良くなったのは体調を壊したこと。身体がとても強い人は先に、精神がおかしくなってしまう。
わたしはたまたま、連日眠れない日が続いたことで、思いっきり風邪をひき39℃の熱が出て会社を休んだ。
追いつめられてしまうと、熱が出ても休めないと思ってしまう人もいそうだけど、そこを割りきれたのも良かったと思う。
責任感が強い人ほど、自分のことを追い詰めて、逃げることを自分に禁じてしまうように思う。
結局、本当に人が追い詰められる状況は
激務×他人との関係なのだと思う。
わたしは、たまたま運よく周りの人には恵まれていたので、そこまで追い詰められずにすんだ。
悪いのは電通だけじゃない
電通という企業のブラック体質はもちろんあるのだけれど、この事件はもっと根深いと思っている。
電通はどういう仕事をしているかというと、結局はクライアントの発注を元に仕事をしている。
クライアントも結構めちゃくちゃで、かなり膨大な量の仕事を「明日までによろしく!!」みたいなケースもよくあるのだと思う。
代理店からしたら、発注をしてくれるメーカーなどは大切なお客様。ちょっとでもヘタをすればすぐに切られて他の代理店に変えられる可能性がある。
そうならないように、お客様の要望には全力で答える。だからこそクライアント側は変わらず無茶な注文を無茶とも思わず、続けてしまっている、というような背景もあるのではないかと思う。
こういう過労死事件をなくすには、やっぱり業界の体質改善をしない限りは何も変わらないと思う。
電通は22時以降の残業を全面禁止にしたようだけど、結局みんなカフェや家で仕事をしているのではないかと思う。
仮に電通が本当に仕事量が減ったとしたら、それは他の代理店に移っているだけで、同じようなことが他の会社で起こるだけなのではないかと思う。
自分の身は自分で守る
本当に今回の事件はかわいそうで、心が痛む。
けど、周りに助けてもらえない環境なら自分の身は自分で守らなきゃいけないのだとも思う。逃げる勇気も必要だし、判断がおかしくなるまで、そこにいてはいけないのだと思う。
同じような事件がもう二度と起こりませんように、、と切に願います。
▼スポンサーリンク
コメント