本を2日で読破し、映画も見に行ってきた。
『君の名は。』がかなり話題になっているけど、わたし的には絶対的に『怒り』を見て欲しい。
かなり重くて衝撃的な内容だけど、見るに値すると思います。見終わったと呆然としすぎてなかなか受け止めきれなかったので、ひと駅歩きました・・・笑
ネタバレ満載なので、まだこれから見るから!!って人は見てから読んで頂ければと思います。
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目次
とにかく豪華な俳優陣
渡辺謙を筆頭に、豪華な俳優陣。今年公開の映画で一番豪華なのではないか・・・。
エンドロールで宮崎あおいの名前が5番目くらいに出てきてびっくり。どういう順番で決めてるのかしら。それくらい、出演している人が豪華。
■沖縄編キャスト
まず、やっぱり犯人「山神」役の森山未來。本を読んでたので、森山未來が犯人なのは最初からわかっていたのだけど。。最初に泉と星島で出会うシーンでとにかく「普通」なところが逆にめっちゃ怖い。ふつうのフリーダムな青年を装った姿と最後の狂気を感じさせる演技のギャップが本当にすごい。
事件の鍵を握る泉役の広瀬すず。広瀬すずってとってもかわいいけど、特に好きではなかった。バラエティで見たときに、結構おバカさんな感じがしてあぁー・・と思っていた。
が、今回の映画でがらっと印象が変わった。内地から沖縄にやってきた少女という設定なのだけど前半は、ちょっと訳ありの家庭環境で育った大人びた雰囲気をもった女の子という感じだった。そこから米兵にレイプされるシーンはちょっと直視できなかった、、、その後打ちひしがどうにか生きている感じもすごかったし、何よりもラストシーンでの叫びは思わず涙が出た。
映画を見た帰り道、泉ちゃんは自分はレイプされそれがきっかけで好きな人が殺人を犯し・・・あの子の人生は一体・・・とか考えながら歩いて帰った。
でも、海で叫ぶシーンで手を握り締めて拳を作っていたのが印象的で、ここから強く生きていくのではないかというイメージを持たせてくれた。
そして、映画を通して一番すごいかも、、と思ったのが、辰哉役の佐久本宝。今回の映画のために1,200人のオーディションの中から選ばれたシンデレラボーイ。最初は豪華俳優陣の中で誰?この子?って感じだったのだけど、どんどん感情移入をしてしまう。結局、山神(森山未來)を殺してしまうわけだけど、山神に対する怒りの表現が本当に心の底から湧き上がる怒りで、こちらもある意味狂気を感じた。刺したシーンよりも、壁に書かれた文字を消しているシーンの方が、怖かったかも。。。
■東京編キャスト
ゲイの優馬役の妻夫木聡と直人役の綾野剛の絡みがやばかった・・・w 綾野剛はアンニュイな感じで割と見たことある印象だったけど、妻夫木さんのゲイ感半端ない。本物っぽかった・・笑
ハッテン場で出会ったふたりが、最初は半ば無理やり絡み合うのだけど、、、なんというか生々しすぎてちょっとおお、、って感じだった。きゃーー!ってテンション上がる感じではなく。。。笑 腐女子の方にはたまらん~~~!って感じなのかな?
どこかの記事で読んだけど、恋人感にを出すために撮影の休憩中も手をつないで過ごしたりしたらしい。。役者ってすごいな。
本と比べて、ゲイっていう点にポイントを置きすぎて、優馬が直人を疑うシーンがちょっと弱かったなーって思った。本は直人に対して、お前殺人犯なの?って質問するシーンがあるんだけど、そこがカットされていたので、行方不明になってから殺人犯と疑い始めたように感じちゃった。
■千葉編キャスト
愛子役の宮崎あおいと洋平役の渡辺謙はもう文句の付けどころがないですね。宮崎あおいは冴えない女の子にしか見えないし、渡辺謙は漁港のおじさんにしか見えない。
本だと宮崎あおいが発達障害である、ということがちょこちょこ出てくるんだけど映画だだと渡辺謙の「あいつはちょっと人と違うところがある」というセリフに集約されていた。
あの年で言動が子どもっぽいみたいなことはわかると思うけど、映画しか見ていない人にはわかりづらいような気がしたなぁ。
田代役の松山ケンイチも秘密を隠して、ひっそりと生きていこうとしている感じが伝わってきたよかった。もうちょっとセリフが多いと良かったなぁ。そして山神と疑われる要素が少なすぎた。。
本にあった、実際に田代が逃げたあとヤクザとかが漁港にやってきてしまうシーンがカットされていたのがちょっと残念。あのシーンがあったほうが洋平の「一人で逃げるな」みたいなセリフや愛子の「田代くんは愛子が守る」っていうセリフが引き立った気がする。
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■ミステリー要素は本のほうが上
本を読んでいて犯人が最初からわかっていたからかもしれないけど、本は結構最後まで誰が山神なんだろう・・・?っていうドキドキ感があったけど映画は最初の方から犯人は田中(森山未來)っていうフラグが立っていたと思う。
部屋が猛烈に汚いっていうのがわかりやすかったかも。田代(松山ケンイチ)はそんなシーンがそもそも出てこないし、直人(綾野剛)は綺麗好きっぽい感じで優馬(妻夫木聡)と暮らしている。山上の部屋の突入してカップラーメンのゴミとかが大量に置いてあるシーンのすぐ後に、星島で田中が暮らす廃墟にもカップラーメンのゴミやらなんやらが置いてあるシーンがそれを感じさせた。
メッセージ性は映画のほうが上
一方「人を信じる」ことの大切さと難しさというこの映画のテーマかつメッセージは映画の方が伝わってきた。
田代と直人は山神かと疑われるが、結局違う。
疑った人たちはとんでもなく後悔をする。
森山未來が本性を現したあとに「俺のことを信じるやつはすぐわかる。本当の俺なんて誰にもわからないのにどうしてすぐに信じられるんだ」というようなセリフがより「人を信じる」って何なんだろう・・・と考えさせられる。
本と映画の違うところ
辰哉が田中を殺すシーン
沖縄編のラストが結構違ったのでちょっと意外だった。本では、辰哉は田中のキレやすいという一面に気づきつつ、周りの人たちが兄弟みたいにと言うくらいに仲良くしていたふたり。
田中が潜伏していた星島に行ったときに、壁に書かれていた「怒」の文字とレイプされた泉をバカにされる文字を見て、「怒り」田中を刺す。
そして、辰哉は刺した動機を「ムカついたから」としか話さずに、後から真実に気づいた泉が警察に行って理由を弁解する。という展開だった。
映画では、働いてた旅館でブチギレものを壊しまくり、星島に再び潜伏していたところを辰哉に発見されて、実際に対面で泉をバカにする発言をする、という展開。
辰哉が殺すほどの怒りを覚えるのは対面で会話をした映画の方がリアリティがあるなという感じ。田中が旅館でブチギレたのは恐らく辰哉に客のカバンを雑に扱ったことを注意されたことが引き金になっているのかな、というのも想像できるところがわかりやすかった。
気になったのは、ボートじゃないといけない星島にどうやって行ったのか、、というところ。泳いで?
山神を知っている人の告発
八王子事件の真相を話す。「人を見下すことで自分を保っていたやつが、哀れまれたらそれは殺すよね」という発言が、本ではわかりづらかった、八王子事件の動機が描かれていたように思う。
そうとう長くなってしまった・・・。
何はともあれ、見たあとにこんなにも長い感想を書きたくなってしまうくらい衝撃度が強く、色々なことを考えさせられる作品だった。
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