【読書感想文】何者 朝井リョウ

今年はこれまで読んだことない作家さんの本をたくさん読むと決めている。
朝井さんはじめまして。
1989年の平成生まれ。至上最年少で直木賞を受賞。
年下の作家さんの本を読むのは初めてかも。

就活中の大学生が登場人物。
演劇をやっていたけど、就活のタイミングで辞めた主人公。
主人公の回りにはバンドマン、インターン行きまくりの意識高い系女子、留学経験あり、クリエイター気取り。
などなど。
ああ、周りにいそうだ‥‥と思う顔ぶれ。

ストーリーの中にちょいちょいTwitterの呟きが入るのが今っぽい。

若い作家さんだから描けるリアルだと思う。
前半は、大学生の就活レースを描いていて、
正直若いなぁ、確かにこんなこともあったな‥‥ちょっと大学生向けだったかも‥‥と思いながら読んでた。

人間の一番汚い誰にも見られたくないし気づかれないようにしている、でも誰しもが持っている感情を突きつけてくるストーリーでちょっと衝撃を受けた。

大学生とTwitterというツールを使って書かれているけど、普通に大人の社会にも置き換えられる。

自分は何者か模索して、カッコ悪いことをしながら生きている若者の姿に切なさと共に共感できた。

『生きていくことって、きっと、自分の線路を一緒に見てくれる人数が変わっていくことだと思うの』

家族がいて、学校の先生や友人がいて、常に自分の周りに自分の人生を一緒に考えてくれる人がいた幼い頃とは違って、成長したら自分で一緒に線路を見てくれる人を探さなければならない。

就活レースから先に抜けた女の子のセリフ。

しみじみ。心に響く。

✩ぜひ読んで欲しい人

就活中の大学生・周りの人に対して不満がある人・自分は何者か探している人




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